第24回日本臨床工学技士会 「震災復興支援 防災学習ツワー」参加報告(その1)

第24回日本臨床工学技士会

「震災復興支援 防災学習ツワー<石巻コース>」参加報告

小村 奈々

安全対策委員会/国保依田窪病院臨床工学科

平成26年5月9日、日本臨床工学技士会主催の「震災復興支援 防災学習ツアー<石巻コース>」ツアーに参加してきました。

東日本大震災時に災害拠点病院となった石巻赤十字病院で講演聴講

(講師:石巻赤十字病院 臨床工学技術課 熊谷一治臨床工学技士)、その後、講師と共に院内の視察、石巻市内視察という約5時間の内容でした。

長野県は幸いにも過去に大きな被害を伴う災害に見舞われることが全国的にも少ない地域ですが、

東日本大震災から3年たった今、東日本大震災で得た教訓が生かされているか再考するひとつのきっかけになればと思い、

今回の防災学習ツアーでの体験を報告します。

(石巻赤十字病院での講演スライド及び院内視察時の写真は許可を得て使用しています。)

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▲仙台駅から一路石巻市に向かって出発です。

石巻市は、宮城県東部に位置し県内第二の人口を有します。

牡蠣、ウニ、ホヤなどの美味しい海の幸が豊富に採れる全国でも有数の水産都市です。

しかし石巻市は、東日本大震災で死者3532人行方不明者438人と最も大きな被害があった市でもあります。

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▲防災学習ツアー参加メンバー

(写真前方右から2番目 講師:熊谷氏)

<院内見学編>

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▲病院入口の免震構造特有の可動スペース部

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▲地下の免震構造の核となる鋼製U型ダンパー


震災当日も地下でお仕事をされていたそう…

「怖くなかったですか?」

「いつもより長い地震だなあ、くらいにしか思いませんでした」と

それくらい宮城県は、普段から地震が多い地域だということでした。

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▲ケガキ計(揺れを記録し免震の効果を計る)

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▲震災時、建物が最大で東に26㎝移動したことを記録している

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▲配管は全てフレキシブル構造

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▲地下駐車場スペースだが震災時は遺体安置所となった

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▲(スライドより)

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▲透析室内にある雑用水系統(災害断水発生時使用)

しかし一番水を使ったのは透析…ではなく、トイレだったそうです。

<石巻市内見学編>

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▲震災間もない北上川の様子(スライドより)

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▲現在の病院そばの北上川

震災時は浸水のためにこの周辺に車を放置せざるを得なかったが、

車に戻ってみるとガソリンを全部抜かれていた…。

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▲石巻市最大の仮設住宅街をバスで通る。

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▲重い話の合間にふと目が合ってホッと一息

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▲津波で半壊した石巻市立病院(スライドより)

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▲現在は土台だけとなっていました。

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▲私たち信州人が山に囲まれて暮らすように、穏やかな海岸線が続く石巻市。

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▲震災間もない状態の石巻市(スライドより)

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▲津波で大きな被害を受けた門脇地区に入る。

外形が残った家もわずかにあるが、現在では居住禁止区域となっている。

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▲震災後間もない「がんばろう!石巻」看板周辺

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▲2014/5/9撮影 「がんばろう!石巻」看板周辺

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▲門脇地区にあり津波の被害を受けた熊谷氏の家(スライドより)

な31▲校舎が津波に襲われ火事も起きて全焼した石巻市門脇小学校

後ろの高台の日和山公園に多くの生徒が避難した